PMBOK第6版とシステム開発工程の関係を理解する⑥
~【リリース】成果物・システム開発工程・PMBOKプロセス対応表~
📘 リリースで作成する成果物一覧
リリース工程では、システムを本番環境へ安全かつ確実に移行し、利用開始後も安定運用できるようにするための成果物を整備します。
PMBOK第6版ではリリースという工程は定義されていませんが、
- プロジェクト作業の指揮・マネジメント
- 品質コントロール
- リスク対応の実行
- コミュニケーションのマネジメント
- 調達のコントロール
- プロジェクトまたはフェーズの終結
などのプロセスと密接に関係します。
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📋 リリースで作成する成果物
| ドキュメント(成果物) | システム開発工程 | 内容 | 主に関連するPMBOK第6版プロセス | プロセス群 | 主な目的 |
|---|---|---|---|---|---|
| 業務マニュアル | リリース | 業務担当者向けのシステム利用・業務手順書 | 品質コントロール/ステークホルダー・エンゲージメントのマネジメント | 監視・コントロール/実行 | 利用部門が業務を正しく実施できる手順を提供し、UATまでに完成させる |
| 業務運用マニュアル | リリース | 業務運用手順・ポリシー・役割分担をまとめたマニュアル。 | プロジェクト作業の指揮・マネジメント/品質マネジメント | 実行 | 日常業務と運用部門の作業手順を明確にする リリース前に完成・引継ぎする |
| 操作マニュアル | 受入テスト・リリース | システム操作方法を分かりやすく記載した資料 | 品質コントロール/ステークホルダー・エンゲージメントのマネジメント | 監視・コントロール/実行 | 利用者がシステムを正しく操作できるよう支援する |
| 運用留意事項 | リリース | 運用時の注意事項・リスク・推奨事項を整理した資料 | リスクの特定/リスク対応の計画 | 計画 | 運用時のリスクを整理し、対応方針を共有する |
| 障害対応手順 | リリース | 障害発生時の切り分け・復旧・報告手順 | リスク対応の計画/リスク対応の実行 | 計画・実行 | 障害発生時の対応を標準化し、本番前に整備する |
| 障害連絡ルート | リリース | 障害発生時の報告・連絡・エスカレーション経路 | コミュニケーション・マネジメントの計画 | 計画 | 障害時の連絡体制を明確にする |
| HW保守連絡先 | リリース | ハードウェア保守ベンダーの連絡先・窓口 | 調達のコントロール/コミュニケーションのマネジメント | 監視・コントロール/実行 | 保守ベンダーとの連絡体制を整備する |
| SW保守連絡先 | リリース | ソフトウェア保守ベンダーの連絡先・窓口 | 調達のコントロール/コミュニケーションのマネジメント | 監視・コントロール/実行 | ソフトウェア保守体制を整備する |
| 運用手順書 | リリース | 日常運用・定期運用・障害対応手順 | プロジェクト作業の指揮・マネジメント/品質マネジメント | 実行 | 運用担当者が標準手順で運用できるようにする |
| オペレーションマニュアル | リリース | オペレーション担当者向け運用マニュアル | プロジェクト作業の指揮・マネジメント/品質マネジメント | 実行 | 運用担当者の操作・確認方法を標準化する |
| 運用スケジュール | リリース | 日次・月次・年次の運用スケジュール | スケジュールの作成/スケジュール・コントロール | 計画/監視・コントロール | 運用作業の実施時期・順序を明確にする |
| バックアップ基準 | リリース | バックアップ取得方法・保管場所・保持期間 | リスク対応の計画/品質マネジメントの計画 | 計画 | バックアップ・リストア基準を整備する |
| 画面稼働確認手順 | リリース | リリース後の初期動作確認手順 | 品質マネジメント/品質コントロール | 実行/監視・コントロール | 本番稼働直後に画面が正常動作することを確認する |
| アカウント一覧 | 基本設計・リリース | ユーザーアカウント一覧。 | 資源のコントロール/リスクの監視 | 監視・コントロール | アカウント、権限、利用者、状態を適切に管理する 本番アカウントをリリース前に確定する |
| デプロイ手順 | リリース | 本番環境へのリリース手順・ロールバック手順 | プロジェクト作業の指揮・マネジメント/リスク対応の実行 | 実行 | 安全かつ確実な本番反映を実施する |
| 業務対応手順書 | リリース | 業務イベント・例外時の対応方法 | プロジェクト作業の指揮・マネジメント/品質マネジメント | 実行 | 業務イベントや例外処理を標準化する |
| 問合せ対応手順書 | リリース | 利用者からの問合せ対応手順 | コミュニケーションのマネジメント/ステークホルダー・エンゲージメントのマネジメント | 実行 | 問合せ対応・回答・記録方法を標準化する |
| 変更手順・履歴 | リリース | 変更管理手順・変更履歴管理 | 統合変更管理の実施/プロジェクト知識のマネジメント | 監視・コントロール/実行 | 変更履歴を管理し、トレーサビリティを確保する |
| キッティング手順 | リリース | PC・端末のセットアップ手順 | 資源の獲得/プロジェクト作業の指揮・マネジメント | 実行 | 利用端末を本番利用可能な状態に整備する |
| 保守契約書(ソフト) | リリース | ソフトウェア保守契約 | 調達マネジメントの計画/調達の実行/調達のコントロール | 計画/実行/監視・コントロール | 保守契約・SLA・責任範囲を明確化する |
| 保守契約書(ミドル) | リリース | ミドルウェア保守契約 | 調達マネジメントの計画/調達の実行/調達のコントロール | 計画/実行/監視・コントロール | ミドルウェア保守契約を管理する |
| 保守契約書(ハード) | リリース | ハードウェア保守契約 | 調達マネジメントの計画/調達の実行/調達のコントロール | 計画/実行/監視・コントロール | ハードウェア保守契約を管理する |
📋 全工程で作成・管理する成果物
| ドキュメント(成果物) | システム開発工程 | 内容 | 主に関連するPMBOK第6版プロセス | プロセス群 | 主な目的 |
|---|---|---|---|---|---|
| 不具合管理表 | 全工程 | 発生した不具合の内容、原因、影響、対応状況、対応履歴を管理する資料 | 品質コントロール/リスクの監視 | 監視・コントロール | 不具合を一元管理し、品質向上と再発防止を図る |
| 課題管理表 | 全工程 | プロジェクト課題、担当者、期限、対応状況、解決履歴を管理する資料 | プロジェクト作業の監視・コントロール/リスクの監視 | 監視・コントロール | 課題を可視化し、対応漏れや遅延を防止する |
| 進捗管理表 | 全工程 | WBSやスケジュールを基に進捗率、実績、遅延状況を管理する資料 | プロジェクト作業の監視・コントロール/スケジュール・コントロール | 監視・コントロール | プロジェクトの進捗を把握し、計画との差異を管理する |
| WBS(Work Breakdown Structure) | 全工程 | 作業を階層的に分解した一覧。進捗・工数・担当を管理する基盤資料 | WBSの作成 | 計画 | 作業範囲を明確化し、進捗・工数・担当を管理する基盤とする |
| フォルダ構成・命名規則 | 全工程 | ドキュメント・ソース・設定ファイルなどの配置ルール | 品質マネジメント/プロジェクト知識のマネジメント | 実行 | 成果物の保管場所や命名規則を統一し、検索性・保守性を向上させる |
| 各種連絡先一覧 | 全工程 | プロジェクト関係者、利用部門、ベンダー、保守担当などの連絡先一覧 | ステークホルダーの特定/コミュニケーション・マネジメントの計画 | 立上げ・計画 | 関係者との迅速な連絡・情報共有・エスカレーションを可能にする |
📌 補足(PMBOK第6版との対応)
リリース工程では、単に本番反映するだけではありません。
実際には、
- 利用者教育
- 運用設計
- 障害対応準備
- 保守体制整備
- 契約管理
- バックアップ設計
- デプロイ計画
- 初期確認
- 引継ぎ
など、多くのマネジメント活動が含まれます。
PMBOK第6版では、これらを品質・リスク・コミュニケーション・調達・ステークホルダー・統合変更管理など複数の知識エリアを横断して管理します。
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PMBOK第6版を購入したい場合は→ プロジェクトマネジメント知識体系ガイド PMBOKガイド 第6版(日本語)
第6版の補足資料として、この辺も見てみるとわかりやすいかと思います。→図解即戦力 PMBOK第6版の知識と手法がこれ1冊でしっかりわかる教科書
→図解入門 よくわかる 最新 PMBOK第6版の基本
PMBOK第7版を購入したい場合は→ プロジェクトマネジメント知識体系ガイド(PMBOKガイド)第7版
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