総合テスト工程について
システム開発における 総合テスト(System Test / 全体試験) は、完成したシステム全体を対象に、要件定義で定められた機能・性能・運用要件などが満たされているかを検証する工程です。結合テストで確認された連携や機能を踏まえ、実運用に近い形でシステム全体の品質を保証するステップとなります。
💻 総合テストで実施する内容
作業項目 | 内容 |
---|---|
1. 他系システム接続試験 | 外部システムや関連システムとのデータ連携・API通信が正しく行えるかを確認 |
2. 機能試験(日次・週次・月次・年次) | 定期的に実行されるバッチ処理や業務処理が正しく稼働するかを検証 |
3. 運用試験 | システムの立ち上げ・停止、連続稼働、運用スケジュール変更などを確認 |
4. 性能試験 | 通常時/過負荷時の応答時間や、大量データ処理時の安定性を検証 |
5. 信頼性試験 | 障害発生時の復旧手順、バックアップ/リストア、フェイルオーバーを確認 |
6. 操作試験 | マニュアルに沿って操作を行い、誤操作や説明不足がないかを検証 |
📌 総合テストの分類
テストタイプ | 内容 |
---|---|
機能検証 | 要件通りの機能が実装されているかを確認 |
性能検証 | 負荷状況に応じた応答速度やスループットを計測 |
運用検証 | 運用スケジュールや業務フローに沿った稼働確認 |
障害・信頼性検証 | 障害発生時の影響範囲や復旧時間を検証 |
ユーザー操作検証 | 利用者や運用担当者がマニュアル通りに操作できるかを確認 |
📊 成果物
成果物 | 内容 |
---|---|
総合テスト仕様書 | シナリオ、操作手順、期待結果をまとめたドキュメント |
総合テストデータ一覧 | 使用データの初期状態、投入方法を明記 |
総合テスト実行報告書 | 実施日、担当者、実施結果、備考を記録 |
不具合報告書 | 発生した不具合の内容、原因、対処方法、再テスト結果を記載 |
🔢 テスト数値(目安)
結合テスト同様に、総合テストでも定量的な観点が重要です。以下のような基準を設けることで、網羅性と品質を担保します。
テスト | テスト数値(単位:Kstep) |
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総合テストケース数 | ケース数は任意にて作成して下さい。特に規定はありません。 |
不具合検出件数 | 下限値:0件 / 中間値:0.3件 / 上限値:0.5件 |
まとめ
総合テストは、開発の最終段階における「品質の総仕上げ」です。
機能・性能・運用・信頼性・操作性といった多角的な検証を実施することで、システムを安心してリリースできる状態に仕上げることができます。
つぎは、リリース後の運用・保守を説明していきます。少々お待ちください。
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