社内ナレッジを守りながら会社として、ChatGPT 生成AIを費用をかけすぎないで導入するには

生成AIAIエージュエントRAGなどのAI関連の言葉が行きかっていますが、AIを使える様になると、今までにない、かなり便利なツールになります。ただ、これまたシステムがわからない方には、敷居が高いです。利用方法を誤ると社内の知識が、生成AIの学習用に利用されてしまっては、今まで貯めてきたノウハウが外部に漏れてしまいます。

大企業は、Slerから色々なコンサルを受けて、使い方は理解をしているかと思いますが、中小企業は、これからと言う方も多いかとは、思います。そんな方向けに、会社として小規模から始めるChatGPTの利用方法について、説明します。

— Free / Plus / Pro / Team / Enterprise の比較

💻サマリー

  • 当初は5名規模での導入を開始し、SSO(シングルサインオン)は将来導入を想定。
  • 初期段階は ChatGPT Team+社内RAG/API(最小送信・ロギング)で開始。
  • 保持・監査の中央統制をさらに強化する必要が生じた時点で Enterprise への移行・併用を検討。

💻前提条件

  • ユーザー数:初期 5 名(将来的に増加の可能性はありますが)
  • 主要ユースケース:社内ナレッジ活用(RAG)、文書要約、翻訳、コード補助、ファイル要約 等

プラン比較(“社内ナレッジ保護”に効く観点で要点のみ)

観点FreePlusProTeamEnterprise
想定個人お試し個人本格個人ヘビー小〜中規模の業務全社展開・厳格統制
ChatGPTが学習利用するON(※)ON(※)ON(※)OFFOFF
学習回避手段履歴オフ/一時チャット履歴オフ/一時チャット履歴オフ/一時チャット既定OFF既定OFF
管理機能管理コンソール/ワークスペースSSO/SCIM/ドメイン検証/詳細ポリシー
認証個人個人個人SAML SSO 対応(将来ON可)SSO+SCIM(ユーザープロビジョニング)
監査・保持最低限最低限最低限運用で担保(教育・規程・ログ設計)保持・監査の中央統制/ログ連携
データ送信設計手動最小化手動最小化手動最小化RAG/APIで最小化が現実的RAG/API+エンタープライズ制御
典型的な使い分け試用個人作業個人で高負荷小規模チーム導入厳格な審査・可視化が必須

※個人向け(Free/Plus/Pro)は、履歴オフ/一時チャット運用で学習回避・短期保持にできる一方、部門単位の中央管理やSSOがないため、機密データの取り扱いには不向き。


💻当構成での流れ

  1. **ChatGPT Teamでワークスペース運用を開始
    • 既定でChatGPTの学習用に利用させないが設定できる。
  2. 社内RAG/APIゲートウェイを併用
    • ナレッジは社内DBに保持し、必要最小限のみ送信マスキングを実装。
  3. エンタープライズ要件の発生時Enterprise へ移行・併用
    • 例:保持期間やログの管理者一括統制 等。

💻参照アーキテクチャ(テキスト図)

[利用者(5名)]
    │ ①UI操作(Team)/②社内アプリ(RAG/API)
    ▼
[Team ワークスペース]──(制御)──[管理コンソール/将来SSO]
    │(添付・要約等:運用規程で禁止情報の送信を抑制)
    ▼
[社内RAG/APIゲートウェイ]
    ├─ 前処理:マスキング
    ├─ 検索:Vector DB / 検索基盤(社内保持)
    └─ モデル呼出:必要最小プロンプトで送信

💻よくある質問(当構成の場合)

Q1. なぜ Pro ではなく Team なのか?
A. Pro は個人向けで中央管理がなく、会社として利用するには不向き。Team は学習不使用が既定で、将来、Enterpriseへのアップグレードも可能。

Q2. すぐに Enterprise にしない理由は?
A. 初期想定では Team+運用統制で十分。管理者が一括制御する必要が強くなった段階で Enterprise を導入評価。

Q3. 機密ファイルはアップロードしてよい?
A. 原則 不可。RAG/APIで必要最小部分を抽出して送信し、前処理(マスキング)を必須とする。


💻まとめ

  • 小規模導入の現実解は Team+RAG/API保持・監査の厳格化ニーズが高まれば Enterprise を検討。

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