詳細設計工程について
詳細設計(内部設計)は、基本設計で定義した仕様をもとに、プログラム単位での「実装レベルの設計」を行う工程です。開発者がそのままコーディング可能な粒度まで設計を掘り下げていきます。作成担当は、基本設計担当でも、基本設計書を確認して詳細設計書担当でも作成しています。基本設計書担当がリーダとなり複数の詳細設計担当(コーディング担当も兼ねることが多い)へ仕様の引継ぎしていくことが多いです。
✅ 詳細設計で実施する主な内容
区分 | 内容 |
---|---|
1. クラス設計 | クラス構造、プロパティ、メソッド定義、継承・依存関係など(オブジェクト指向設計) |
2. 物理テーブル設計 | カラム詳細(型・桁数・初期値・制約)、インデックス設計、外部キー定義など |
3. メソッド仕様設計 | 各処理(登録・更新・削除・検索など)の入力・出力・処理手順の定義 |
4. チェック仕様定義 | 入力値チェック、業務ルールチェック、エラーメッセージ一覧など |
5. 処理詳細定義(フロー) | 各処理単位の分岐・繰返し・例外処理を含めて記載、又は、処理の流れを箇条書きにて、粒度は、プログラム1行に近いもので作成。 (処理フロー、YAC、) |
6. 処理補足定義 | 計算処理、集計処理、検索・フィルタ処理などのロジック定義 |
7. UI部品設計 | 各画面で使用されるコントロールの詳細(コンボ、ボタン、ラベル等) |
8. 画面項目設計 | 項目の活性/非活性、表示/非表示、連動条件などプログラムレベルの記載。 |
9. インタフェース設計 | 処理間の呼び出し関係、引数/戻り値の型定義 |
10. 共通関数定義 | 処理間の共通処理の処理内容及び、引数/戻り値の型定義 |
11. エラー処理設計 | 例外ハンドリング、ログ出力、ユーザー向けエラー表示内容など |
12. 非機能設計の詳細化 | パフォーマンスチューニング、キャッシュ設計、セキュリティ対策(SQLインジェクション防止等) |
📄 詳細設計で作成される成果物
成果物名 | 概要 |
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詳細設計書 | 各モジュール・クラス・処理単位の設計ドキュメント |
クラス図(UML) | モジュール間の構造と関係を図示したもの |
シーケンス図(UML) | 各ユースケースの時系列処理の流れ |
処理詳細定義(フロー) | 条件分岐や繰り返しを含む処理ロジックの可視化 |
CRUD定義表 | テーブルと機能の関係(Create/Read/Update/Delete) |
項目定義書(項目単位の設計) | 画面・DB共通で使用される項目の詳細(コード体系など) |
共通関数仕様書 | 各処理での共通処理の呼び出し方法及び、戻り値の定義(作成は、各担当の詳細設計が開始する前にある程度ピックアップ、そのあと各設計者の要望を取り込みながら追加) |
ER図(物理) | 正規化後のテーブル物理設計 |
物理DB設計書 | 概念DBから実運用に正規化した物理DB定義書 |
チェック仕様書 | 入力制約、エラーコード、エラー文言一覧など |
詳細設計は、コーディングするための設計書ですが、コーディングを完了後は、フィードバックしないと設計書内容とコーディングと差異が発生します。現場では、当設計書の扱いに苦慮することが多いです。基本設計書を細かく記載して、詳細設計書は、コーディングから自動生成するツール(HotDucument等)が出ていますので、そちらを利用したり、AIで自動生成することも検討の余地があるかとは思います。
次は、実装(開発)工程です。
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