ChatGPTの利用形態におけるRAG(検索拡張生成)について
ChatGPTの利用形態における RAG(Retrieval-Augmented Generation) の利用可否・形態を整理しました。確認ください。
💻ChatGPT(Web, Plus)
項目 | 内容 |
---|---|
RAG利用 | ❌不可(明示的なRAG不可) |
備考 | 自分のドキュメントや知識をアップロードして検索・応答には 未対応(Web UI では) 標準モデル(GPT-4-turbo)単体での応答のみ可能 |
補足 | Chat履歴に基づく“会話文脈の保持”はされるが、ベクトルDB/RAG的文書検索は不可 |
💻カスタムGPT(Plus/Team/Enterprise)
項目 | 内容 |
---|---|
RAG利用 | ✅簡易RAGが可能(ファイルアップロードベース) |
利用方法 | カスタムGPT作成画面で、「ファイルをアップロード」すると、その中の内容に対して質問できる |
技術 | ベクトル検索(内部的にRAG的処理)をOpenAIが自動で実行(ユーザーは不要) |
制限 | ファイル容量制限(20MB未満)、検索の詳細チューニング不可 |
用途 | 自社ナレッジベース、PDFの中身を理解させた簡易RAG用途に実用的 |
💻OpenAI API + 自前RAG構築
項目 | 内容 |
---|---|
RAG利用 | ✅完全に可能(本格RAG) |
技術 | OpenAI API + FAISS / Chroma / Weaviate / Pinecone + LangChain など自由に構築 |
特徴 | – 独自ベクトルDB構成が可能 – 設計書・仕様書を対象とした精密検索・フィルタリング・再ランキングなど実装可能 – 日本語形態素解析との連携や、業界特化モデル学習にも向いている |
実用例 | 社内QAボット、設計書→応答支援、法務文書チェックなどの業務活用に多い |
💻ChatGPT Team / Enterprise
項目 | 内容 |
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RAG利用 | ✅カスタムGPTレベルのRAG + ファイル共有・チーム内ナレッジベース |
特徴 | – Teamは基本的に Plus と同等 + 管理コンソールあり – Enterpriseでは「Knowledge Base (ベータ)」機能が利用可能(S3やConfluenceをベースにRAG検索) |
管理性 | 管理者がファイル/データソース登録 → 全員が共通のナレッジを元に質問できる |
🔍 結論:RAGの本格運用に向くのは?
利用形態 | RAG活用度 | 自由度 | 運用例向き |
---|---|---|---|
① ChatGPT Plus(Web) | × | × | 試験的利用 |
② カスタムGPT | △ | △ | 少量ドキュメントの検索 |
③ API + 自前構築 | ◎ | ◎ | 実運用・システム組込み |
④ Enterprise / Team | ○〜◎ | ○ | 企業全体ナレッジ統合 |
この辺も情報として持っていて、みなさんも運用してください。
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